キミに届け




分からない。


そんなあたしに気づいたのか、冴子はため息を1つ零すとこの光景についてを説明してくれた。



「お金で誠くんの時間を買ってるの」



「じ…時間を…? 買う…?」



あたしは誠くんから冴子へと視線を移す。


冴子はマヌケ顔のあたしを見て小さく笑い、言葉を続ける。



「言い方を変えれば、自分の時間を売ってる、かな」



「時間を…売る…?」



意味の分からないあたしは、ただ冴子の言葉を反復することしかできない。



< 43 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop