キミに届け
分からない。
そんなあたしに気づいたのか、冴子はため息を1つ零すとこの光景についてを説明してくれた。
「お金で誠くんの時間を買ってるの」
「じ…時間を…? 買う…?」
あたしは誠くんから冴子へと視線を移す。
冴子はマヌケ顔のあたしを見て小さく笑い、言葉を続ける。
「言い方を変えれば、自分の時間を売ってる、かな」
「時間を…売る…?」
意味の分からないあたしは、ただ冴子の言葉を反復することしかできない。