キミに届け
〝みんなで〟。
その言葉がやけにあたしの心に重く突き刺さる。
独り占めしたい。
けれどそんなことができるわけない。
分かっているのに。
知っているのに。
あたしはバカなのかもしれない。
声が出そうになかったから、あたしはフルフルと何度も横に首を振った。
あたしが断ろうがどうだろうか関係ないらしく、
「そっか。 じゃあまた今度ね」
そう明るい声で言った次の瞬間はあたしを見てはいなかった。