キミに届け
押して押せ
じー。
あたしは文字通りじーっとあたしはドアに隠れて誠くんを見つめる。
はたから見ればストーカーだと誤解されてしまうかもしれないギリギリのライン。
それくらい…いや、もはやストーカー以上かもしれないその姿。
周りからチクチクと視線を感じるけど、余計に恥ずかしくなるから深く考えないことにした。
みんなあたしの素晴らしい行為に見とれているだけだっ!!
なんともポジティブな考えに、自分自身に拍手をしてあげようと思う。
あたしはドアに張り付いたまま顔半分だけ出して教室の中央―――いつ見ても人だかりができるその場所を見つめる。