キミに届け
そよそよと、今日も風は温かい。
木陰で眠る誠くんの綺麗な金髪が風と揺れる。
あたしは忍者のように、抜き足差し足で誠くんへと近寄った。
ドキドキと高鳴る鼓動を隠して。
震えそうな手を握り締めて。
いざ!!
あたしが誠くんの隣に立った時、誠くんの綺麗な瞳があたしを捉えた。
真っ蒼でどこまでも続く、そんな瞳にあたしは見惚れてしまった。
綺麗だとか、美しいだとか、感想は様々。
結局は全て同じような言葉が並ぶのだけど。
少しばかり見つめて、あたしはハっと我に返る。