キミに届け
なんてボーっと考えていると、次はあたしらしく、
「はい、どうぞ」
視線をあたしへと移してそう言った。
あたしは至って普通に自己紹介をする。
「今野奈々です。 えっと…冴子とは友達です」
「奈々ちゃんねー、よろしくー」
「あ、はい。 お願いします」
相変わらず、自分お堅いなぁと思った。
ちょっぴりだけど、あんな普通に明るく堂々とできる冴子を羨ましく思った。
ドキドキする。
失敗しないようにしなきゃ。
あたしは気合を入れた。