キミに届け




「俺は青木。 これでも大学生」


そう言って、青木さんは小さく笑った。



〝これでも〟という言葉に、青木さん自体自分が大学生のことを忘れているような口調だった。



きっと外見と一緒で中身チャラいんだろうなぁと思ったあたしは、必要以上に関わらないようにしようと思った。



その前に青木さんはどう考えてもあたしのタイプからかけ離れている。
枠外だ。



「じゃーフロアの方を軽く説明するからついて来てくれる?」



そう言った青木さんの後をあたし達はついて行く。


あたしは冴子の邪魔にならないように一番後ろにつくことにした。



青木さんを警戒するあたしとは違い、冴子はピンクのオーラを放っていた。


…こんなチャラそうな男、やめといた方がいいってのに。


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