キミに届け




平気です、なんて言えなかったから、あたしは震えそうな声を抑えながら、



「がが、頑張ります!」



そう言って大きく頷いた。



一方バイトに慣れている冴子は楽しそうに青木さんと話していた。



冴子ぉー…少しくらいあたしの気持ちを分かってくれてもいいじゃないか!



こんな思いは冴子には届かない。



冴子の笑顔は〝恋してる女の子の笑顔〟そのものだった。


邪魔なんかしたくなかったから、あたしは冴子のところへは行かないことにした。



< 99 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop