キミに届け
平気です、なんて言えなかったから、あたしは震えそうな声を抑えながら、
「がが、頑張ります!」
そう言って大きく頷いた。
一方バイトに慣れている冴子は楽しそうに青木さんと話していた。
冴子ぉー…少しくらいあたしの気持ちを分かってくれてもいいじゃないか!
こんな思いは冴子には届かない。
冴子の笑顔は〝恋してる女の子の笑顔〟そのものだった。
邪魔なんかしたくなかったから、あたしは冴子のところへは行かないことにした。