*coffret a bijoux*(SS集)
     ☆☆☆☆☆



「おい梓っ、何モタモタ
してんだよ!

早く走れっ」



数メートル先で柊弥が
ブンブン手招きして、
大声であたしを呼んでる。



返すあたしはよろめきつつ
息も絶え絶えになりながら、



「そ、そんなこと
言ったって……!」



ムリなもんはムリなのよ!



(てゆーか誰のせいだと
思ってんのよ!?)



ろくに走れもしないほど
全身が痛くて仕方ないあたし。


こんなふうになったのは、
全部柊弥のせいだってゆーのに。



(なんでアイツはケロッと
した顔でスイスイ走れんの〜!?)



それがまた腹立たしくて
あたしはヤケになって
走ろうとするけど、途端
腰がピキーンと痛くなる。
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