$ILVER CATs
「暴れようとしてもムダだからね。はたから見ても、ただのバカップルだし、誰も助けてなんかくれないよ」







「んっ・・」









またすぐに強引にキスされた。















いい加減にしろよ・・・。










あたしは抵抗せずに、男がやめるのを待った。










その方が賢い。










「素直だね」






そう言ってあたしをキスから解放した男は、今度はおもいっきり左手をひっぱって恋人つなぎしてきた。








・・・・・嫌だなー。






コイツ、悔しいけどイケメンだしスタイル良いし体格も良いし身長高い・・・


でも、こんな状況で周りからカップルだなんて思われたくない。











しかも・・・初めてだったしな。








1番が誘拐犯とか・・・




もうネタだね。ネタ。







でも不思議と悲しいとか思わない。






・・だって、別に減るもんじゃないしさ〜。








まあ、かろうじて『イケメン』だったからまだ許せる部分があったのかもしれない。













抵抗してもムダだってわかったから、あたしは男に無理矢理引っ張られながら歩いていた。







誰1人として、あたしが嫌がっているなんてわからなかったと思う。







どっからどう見ても、ただのカップル。












「乗って」







駐車場に連れてこられた。






-ガチャッ








ちゃんとドア開けてくれた。







「ほら、乗ってよ」






ニカッと微笑む誘拐犯。






あたしはすぐに視線を笑顔から車に移して座席に座った。









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