アイ・マイ・上司【完全版】
マスターにからかわれながら飲み明かした日から、数か月が過ぎようとしていた頃。
この時には答えなど、とうに出ていたというのに。
「斉藤さん、またか…」
「すみません…」
それでも、此処は仕事をする為の場であって。
もちろん、ただの上司として接するだけだ。
何かのメンドウを引き起こせるほど、俺の立場では簡単に動けない。
いや…、純真な斉藤さんであり続けて欲しいと願いながらも。
ふしだらに過ごしていたプライベートから、真っ白な彼女に近づけなかっただけのコト。