アイ・マイ・上司【完全版】
まだまだ経理の障りの部分しか知らないのに、初歩で躓いているんだもの。
取り敢えず、経理部のお荷物新人で間違いナイね…。
「終わらない・・・」
すっかり静まり返ったオフィス内ほど、虚しさを誘うモノはナイと思う。
20時を過ぎた頃には、私以外の部員は皆退社した。
月初ではあるけど、個々の役割を終えたからだ。
「バカすぎ……」
ガランと閑散としている部内で、私の虚しい独り言が響いてゆく。
貸借を反対に処理した自分でも凡ミスだと思うから、課長のアノ表情にも納得だよ。
「ホント最悪・・・」
すっかり夜も暮れた今はもう22時に迫っているのに、半端に仕事が残っているから終われない。