空咲花
過去

 あたしが中学校1年生の春、あたしの父親は死んだ。

 理由は事故。
 
 あたしはその事故の事を誰にのせいにもしたくなかった。
 それは母さんも妹の美那(みな)もいっしょの気持ちだ。

 けどただ1人、
 「自分のせいだ」と自分を責め続けている男の子。
 あたしの大切な大切な子。

 優しくて
 温かくて
 安心できて

 あたしはあの子が大切で必要なんだって思った。
 
 思ったのに・・・

 あたしの前から姿を消した。

 

 その男の子が姿を消して1ヶ月―――・・・

 あたしはその男の子の居場所を聞き出した。

 「親戚の家」
 けどその家は県外で

 その家に行くには
 中1のあたしにはまだ危ない。

 どうしても会いたかった・・・。
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