恋人は主治医
目が覚めたらそこはいつもの病室だった
手が温かい
手の方を見たら先生が私の手を握りながら寝ていた
「ん…?
目覚めたか
何処も痛くない?」
先生疲れた顔してる
もしかしてずっと居てくれたの
うん大丈夫と答えたいけど
口の中に管みたいのが入っていて話せない
「ごめん今酸素マスクに変えるな
最初苦しいけどちゃんと自分で呼吸しろよ」
口から管がはなされた瞬間凄い咳がでた
「ゲホッ…ゴホゴホ…」
治まるまで背中をさすってくれる
「大丈夫だから
ゆっくり深呼吸して」
「スゥーゲホッ…ハァー…」
何回か繰り返していたら楽になってきた
「もう大丈夫だな
それで心優ちゃん何で今日病院抜け出した」
いつもより少し怒った口調で言って来た
「先生の誕生日…」
「俺の誕生日?」
今こんな状態で伝えたくない