恋人は主治医
「そんな泣きそうな顔すんなよ
痛いの一瞬だけだろ」
「だって… でも痛いのは大っ嫌いだもん」
「分かったから
今日は我慢しような」
全然分かってないじゃん
私の腕の血管を分かりやすくすると
消毒液をぬってきた
「手強く握ってろよ」
針刺す瞬間を見たくないから反対方向を見た
言われてすぐに痛みがきた
やっぱり痛いよ
点滴の調節が終わるとその手がそのまま
私の頭にきて撫で撫でされた
「俺も好きでお前に痛い事してるんじゃないからな
俺だって本当は痛い思いさせたくないよ」
「優くん…」
「心優の事が本当に大事なんだよ」
照れながら言ってきた
なんだか凄く可愛い
無意識にベッドから起き上がり優くんを抱き締めていた
「心優?」
「良いから
今はこのままで居させて」