ケモノ微熱38℃
そんな風にちょっぴりセチメンタルな事を考えていたあたしを、
「カゲ!」
怒鳴り声にも聞こえる低い声が現実に引き戻す。
「何」
「ソイツ、何で連れてきた」
そ……“ソイツ”!?
突然階段から顔を見せたヤツは、あたしを指さす。
は……………?
あり得ない事に、階段の彼と目の前の彼は瓜二つだった。
「放っておけないだろ」
「ありえねぇ」
「だから?俺この子送ってく」
唯一違っていた雰囲気に、あたしは圧倒された。