ケモノ微熱38℃
あたしを見てニコニコと笑う影虎。
「カゲ、早くしろ」
「うるさいよ、緋呂」
「あ?付いて来てやっただけでも、感謝しろ」
…………なんて自己チューな。
緋呂と呼ばれた男は、昨日あたしをソイツ呼ばわりした影虎にそっくりな男。
同じアッシュグレイのアシメで、同じように整った綺麗な顔。
こんな奇跡みたいな顔が2つもあるなんて……。
カミサマって不公平。
「おら、行くぞ」
影虎と話してたはずなのに、緋呂の視線はあたしに向けられていた。