ケモノ微熱38℃
――パタンッ
目の前で閉じられる分厚いファイル。
「ほー。だから?」
「アリスは馬鹿なんだから、絶対関わっちゃダメだよ」
「うっさい」
正面に座る艶のある黒髪をしたあたしの一応友達は、窘めるようにそう言った。
ピカピカに磨かれた長い爪でコンコンと机を叩いて、あたしを見下ろすようにみる。
170センチを越える長身の彼女は、161センチのあたしを余裕で見下ろせる。
「麻由子は彼氏にしたいとか言ってんじゃん」