終わらない歌を歌おう
 気を失ったのか呉羽は眠っていた。 

 起こしたら可哀そうだと思って抱えて部室に戻った。

 誰が抱えるか喧嘩したけど・・・。

 俺が渡さなかった。

 怖かったよな・・・・。

 一人でやり返さないですべて受け止めて。

 きっと俺達に迷惑かけない為に抑えてやり返さなかったんだろう。

 おかしいかもしんないけど、そう考えると呉羽を美しいと思う。

 頬は腫れて体の至る所にあざがある。

 なんて強く美しい女なんだ・・・。
 
 呉羽を起こさないようにゆっくり椅子に座る。

「ん・・・・」

 ひざの上で呉羽は少し動き俺のシャツを強く握った。

 みんな呉羽を不安な顔でじっと見ている。

 というか、最近の俺はおかしい。

 呉羽の事ばかり考えたり、呉羽の事になるとすぐ体が動く。

 あいつを見るとドキドキする。

 ・・・俺きずいた。
   
俺は呉羽が好きだ。
 

 なにがあっても呉羽を守る。

 そう俺は誓った。

 そして、この気持ちを呉羽にどう伝えたらいいのだろうか。

 呉羽を強く抱きしめた。

 そして、誰にもきずかれないように呉羽の唇にそっとキスをした。




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