終わらない歌を歌おう
「ただいま~」

「はいはいおかえり。遅かったねえ。ってあら!」

 ばあちゃんがすんごい驚いた顔してる。  

 あ、そだった。

 あたしいろんなとこ殴られたんだった。

 わっすれってた~。

 てンギャ!

「あんたは・・・」

「ばあちゃん・・・」

 ふざけてテヘッってしようとしたらばあちゃんがあたしに抱き着いていた。

 ・・・また心配かけちゃったな・・・

 あたしは今の行動に少し後悔した。

 ばあちゃんは強くあたしを抱きしめてくれている。

 だからこれ以上心配を掛けないようにあたしは一息吸って笑顔をつくる。

 「大丈夫だよ!この傷は公園で遊んでた小学生とサッカーしてできた傷だから!いやー最近の子供たちはワンパクだよ~。ボール取るのに一苦労!何回もこけちゃった~」

「呉羽・・・ほんとにあんたは強い子だね」

 ばあちゃんはより一層強く抱きしめてくれた。

「そだよ・・・あたしお父さんとお母さんの子だもん」

 すると後ろからも暖かさを感じた。

「無理するんじゃないぞ」

 じいちゃんも話を聞いていたのか抱きしめていてくれた。

「ありがと、二人とも。この傷は名誉の負傷だから」
  
 
 あたしにはじいちゃん、ばあちゃん、お父さんとお母さん、それに軽音部のみんながいる。

 だからコワいものなんて何にもないんだ。
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