終わらない歌を歌おう
 途中、みんなに迷惑かけたくなくて保健室にいったら保健の先生であろう少しポチャッとし
た優しい顔した女の先生がいた。
 
 目が合うとニッコリとと微笑んでくれて安心感が出てきた。

「あら、初めて見る顔ね。私は尾木博子。みんなからは尾木ちゃん先生って呼ばれてるわ」

 想像どうりの品のあるきれいな声だな~。

 落ち着く~。

「あたしこないだ転校してきた矢戸呉羽って言います。よろしくお願いします!」

 この人に警戒心なんていらないなっていう安心感がある。

 きっとこうやって生徒からも慕われてるんだなってよくわかる。

「あ~、あの赤い髪したかわいいって噂の子ね! 

  ほんとにかわいいわ~。その髪も地毛なの?さわってもいいかしら?」

 そ、そんなにかわいいなんて言われると照れちゃうよ\\

あたしは少しはずがしがりながら先生の方へ近づいた。

「ほんとに鮮やかな赤ね。キレイだわ~。毎日ちゃんとお手入れしてるの?」

「いや、ぜんぜんしてないです」

「うそ~!ま~たそんなウソ言ってぇ」

「ほんとですもん!」

 少し拗ねたように頬を膨らますと

「そんなかわいく拗ねないでちょうだい!とゆうか立ちっぱにさせてごめんなさいね。
  さあ、座って。今日はどうしてここに来たのかしら?」

 あたしを座らせてくれると冷たい麦茶の入ったコップをあたしの前に置いてくれた。

 どうやら腹痛とか頭痛じゃないことをわかっているようだ。
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