終わらない歌を歌おう
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「あなたが軽音部に入った女の子だったのね」
「はい、知ってたんですか?」
「ええ、保健室に来る子たちが話しててね。噂になってたのよ」
「え?あたし噂されるような事してませんよ?」
先生、信じてください。
あたしは何も悪いことはしていません。
なんかこう、転校早々窓ガラス割ったりとか。
ドラマに出るヤンキーさんがするような事はしておりませぬ。
・・・あ!!思い出した!
初めて登校したときドロップキックかましたんだった。
・・・・しまったぜ・・・。
あたしがオロオロしていたら先生が笑った。
「呉羽ちゃん落ち着いて。噂っていうのわね、軽音部は女の子が入っていなかったの。入部希望者が多くてもほとんどがあの子達に近づきたいが理由だから女の子は入れなかったの。でも呉羽ちゃんは違ったって事ね」
ニコニコと笑顔で話してくれる尾木ちゃん先生。
今思い返してみると軽音部のみんなはあたしの本気を見てくれたって事だよね。
それが嬉しくてあたしも笑ってしまう。
「それにしてもあの子達ひどいわ!こんなにかわいい子が入ったってなんで教えてくれなかったのかしら」
両腕を組んでプクッと頬を膨らます先生。
かわい~。
あなたの方が断然かわいいです。
あたしなんてそこらへんに生えてる雑草です。
でも、先生はみんなと仲がいいのかな?