終わらない歌を歌おう

呉羽、危機一髪

「お前はちょっと待っててくれ」

教室に着くと先生はあたしを扉の前に立たせ教室に入っていった。

「みんな席付けー。今日は転校がきたぞ。さー入って」

 先生の合図で教室に入る。
 
 周りを見るとザワザワしている。

 あたしは気にせず一息すって挨拶をした。

「矢戸呉羽です。みなさんよろしくお願いします」

 不器用ながらにニコッと笑う。

 それでもまだざわつく教室。

 なによ、そんなにこの髪が珍しいの?

「じゃあ、矢戸の席はあそこだ」

先生が指を指して席を教えてくれる。

やった、窓際の後ろ。ラッキ~。

席に着くと、隣にめちゃくちゃ顔立ちのいい男子がいた。

髪は黒くてさらさらで、目がくりくりしていてめがねをしている。

ぼへーっとめがね君を見ていたら気づいたのかニコッと微笑む。

「初めまして矢戸さん。ぼくは新城大地。何か、わからない事があったら何でも聞いてね」

大地は優しく言ってくれた。

あたしは大地のその言葉だけでもすっごくうれしかった。

だってこんな風に声をかけてもらったの久しぶりだもん。

「ありがとっ大地、あたしのことは呉羽でいいよ。じゃあ、お言葉に甘えて校舎の案内お願いしていいかな」

「うん、いいよ。じゃあ昼休みにしようか」

「うんっ!」

 昼休みが楽しみだあ~。

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