終わらない歌を歌おう
「先生、ありがとう。もー大丈夫だよ」

「ほんと?今までよく我慢してたわね。これからはもう自分じゃどうしようもないって思ったらここに来なさい。そうじゃない時でもいいわ」

 そう言って頭を撫でてくれた。

「ほんと?じゃあ、いつでも来ます!」

「いつでもいらっしゃい。ほら、鼻かみなさい」

 そう言って先生はティッシュを渡してくれた。

「ありがとーございます」

 ぶびちーんと遠慮なく鼻をかむあたしを見て笑っている。

「ああ~いっぱい泣いたから喉かわいっちゃた。先生おかわりいい?」

「はいはい、いいわよ~」

 コップを渡して先生が麦茶を入れてくれてると、

 ガラガラっ

 「あー、だりぃ~」

 めんどくさそうなオーラをまとった銀ちゃんが首をボリボリ掻きながら保健室に遠慮なく入ってきた。

 うわ~、たちの悪いヤンキーさんみたい・・・。

「博子ちゃんお茶ってなんで呉羽がいんだよ?」

 あたしがここにいると思わなかったのか銀ちゃんはびっくりしてる。

「なんで銀ちゃんも来てんだよ」

「俺はサボ、いや頭が痛くてだな・・」

「今完璧サボりって言おうとしたでしょ」

「ちげーよ。てかおめぇはなんでここ来てんだ」

「そりゃ、サボ、いや頭が痛くて・・・」

「おめぇーもサボりじゃねーか!」

「うるちゃい!もーいいじゃん」

「はっ、かんでやんの」

「い~~~」

 いつもの変わんないやり取り。

 それを見て笑う先生。

 また新しくできたあたしの居場所。

 あたしは少し強くなれたと思う。

 あたしは一つの踏ん切りをつけた。
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