終わらない歌を歌おう
　そしてあっという間に昼休みになった。

「呉羽ちゃん行こうか」

「うんっ」

あたしが大地に呼ばれて一緒に教室を出ると、周りの生徒が騒いでいる。

そんなこと気にせずに大地に校舎を案内してもらった。

「ここが二年の教室だよ」

「うん、わかった」

世間話をしながら教室の前を歩いていると小柄な男子一人に三人のでかい男子が脅しのよう
なことをかけている。

何だろ？と思ったけどカツアゲだとすぐわかった。

あたしはそこに急いで駆け寄った。

「一人に三人で何やってるんですか？先輩？」
　
　あたしは相手を睨みながら言った。

「ああ？部外者は首をつっこむなよ！」

三人の中の一人が言う。

「すいません。こーゆーの見といて黙ってられないんです」

「んだとっ！」

急に男があたしの腕をつかんだ。

こいつ結構力ある。

「いたっ、はなせよ！」

体を揺らしたけどびくともしない。

「おっ、結構こいつかわいいじゃん。なあ、俺らと今から遊ばない？」

「いやっ」

あたしは抵抗したけどやっぱり無理。

誰か・・・助けてっ。

すると、あたしの腕をつかんでいた男が後ろの方へふっとんだ。

振り返るとそこには、栗色の淡い髪に鋭い目つきの人がいた。


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