終わらない歌を歌おう
 小さい頃からよくいじめられていたけ

 どそのことを誰にも話さなかったわ。

 大きな傷がたまにあったりしたけど

 “階段で滑った!”

 って言って笑っていたの。 

 ・・・きっとバンドで忙しい恭太さん達

 に心配掛けたくないって優しさね。

 でも、呉羽が本当は泣き虫なのを

 あたしは知ってたから・・・

 こっそり小さく泣いてる呉羽をただ見て

 いるだけしか・・・できなかった・・・

 でもそんな呉羽にさらに追い打ちが・・」

 涙をこぼしながらぽつりぽつりと言う

 ばあちゃんがとても小さく見えた。
 
 ・・・でもここからの話は呉羽の過去はあいつ自身からから聞きたい。

 きっとそうじゃないとあいつは前に進めない。

 俺だってあいつのすべてを受け止めたい。

 だから・・・

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