終わらない歌を歌おう
 ~宗吾~

 俺今すっげぇムカついてる。

 なんだよ呉羽のやつ、すぐ知り合ったようなやつの膝座りやがって。

 もちろん呉羽は俺の膝にも乗る。

 それは軽音部のみんなも同様だ。

 そりゃまあ軽音部の人達はまだわかる。

 変なやましい気持ちとかないから。

 でもあいつはなんだ!

 呉羽の腹に手回しやがって。

 気安く触んな。

「宗吾~、おかえり!」

 一人で葛藤していると呉羽はなんの悪気もなく無邪気に俺に抱き着いてきた。

 小さい子供の様に微笑む呉羽。

 んな顔してもダメだぞ。

 俺は簡単じゃないんだ。

 罰として少し冷たくあたってやる。

 スリスリスリ・・・・。

 俺のそんな気持ちとは裏腹に頬を俺の胸にすり寄せてくる。

 ・・・あー、ダメだ!我慢出来ねえ!

 何なんだよこのかわいいの。

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