【短編】クロスロード ~ェンジェル~アルバム~
コーヒーをたてて、
出来上がったコーヒーを
真っ白なカップにそそぐ。

「あ~、いい香り」


澄香は、
香ばしいコーヒーを香りながら
お母さんの部屋へと運ぶ。


「お母さ~んっ
とってもいい香りだよ~」

そう言いながら澄香が部屋に入ると、
お母さんは、
布団の上に、掛け布団も掛けずに
仰向けになっていた。

両手を胸もとに置き、
清く正しい姿勢で、
目を閉じて


「お母さ~ん?」


澄香はカップを置き、
お母さんの傍に歩み寄る。


「また寝てるの~?
もぅどうしたのかしら。
寝るなら寝るで
ちゃんと」

そう言って、
澄香が掛け布団を掛けようとした瞬間、

振動で
お母さんの腕が胸もとから落ちた。


「お母さん?」


不自然に思い、
澄香は、
お母さんの顔に自分の顔を寄せてみる。


息をしていない…


「え?…お母さん?
お母さん!?」


澄香は体を揺さぶったが、
お母さんの反応は
なかった。


「ど…どういうこ、と…」


澄香は、
急いで救急車を呼び、
真梨子に連絡した。

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