【短編】クロスロード ~ェンジェル~アルバム~
「あ、てゆうかっ一人?
なら、どっか食べにいかない?
せっかく会ったし」

「あ、…」

澄香は、徐に
修斗と仂哉の方を見る。

「あ、連れ?」

「あっうん。
一緒でも、いいかな」

「うん、あ…
やっぱ、初対面だし
恥ずかしいかな…。
今日は、遠慮しとく」

「え?
真由~珍しい~
初対面とか気にしないじゃん」

「えぇ、…気にするわよ…」

「しないしないっ」

「するって、私だってぇ。
そういうお年頃もあんの!」

「えぇ!?

あっ、あぁ!」

澄香は直感し、
真由を見ながら微笑む。

「な、なにっ」

真由はドギマギしながらも普通を装い尋ねる。

「真由ぅ~」

澄香はニヤニヤ微笑みながら真由の顔を覗き込んだ。

「どっち?」

「え?」

真由の顔が赤くなった。

「わかりやす~い、真由ぅ~」

「何言ってんのっ、意味わかんないっ」


しきりに微笑む澄香に、
真由は、
膨れながらも図星であった。

――――…



とうとう観念して
真由は答える。


「…髪の黒い方…」

「あぁ~なるほど」

澄香は、
当たったとばかりに
フムフムと頷き微笑む。

「仂哉さんだよ」

「仂哉、さん」

「そうっ、
早乙女 仂哉さんっ。
私たちより五つ年上っ」

「そうなんだぁ」


真由は、
ときめく様に
仂哉を見つめていた。

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