【短編】クロスロード
~ェンジェル~アルバム~
第二十一章 バレンタインデー
季節は巡り
新しい年を迎え…迎え
…迎え…
二月
女子達の間では、
バレンタインデーの話題がもちきりで
澄香も
まぁ一応その一人で
― はぁ…どうしよう
渡したことないんだよなぁ… ―
放課後、
理科室で一人、
熱帯魚に餌をやりながら、
ふと
そんなことを思っていると、
不意に
修斗の顔がよぎり、
思わず焦る。
― なっ、
なんで
シュウの顔がよぎるのよ… ―
ガッチャーンっ
「きゃっ!」
水槽のある台の上を拭きながら、
ふと考え事をした拍子に、
台の上にあった花瓶を落として割ってしまった。
「あちゃー…どうしよう」
澄香はしゃがんで、
割れた破片を拾おうした。
「危ないよ!」
「え?」
顔を上げると、
「えっ、」
仂哉が窓から覗き込んでいた。
「な…なんでここに?」
「あ~ぁ~割っちゃってぇー。
その花瓶、俺らがいた前からある物凄い貴重な花瓶なんだよ」
「え、そう、なの?」
「あ~ぁ~」
「どうしよう…」
澄香は、困り果ててしまって、
破片を見つめた。
「しゃあないっ。
よしっ、行くか」
「え、??」
「買いに行こうっ。
連れて行ってやるっ」
「同じものを売ってるトコ、知ってるの!?」
「ほらっ、行くよっ」
「え、…」
「早く!
先生に見つかる前に!」
「あっはいっ」
積極的に言う仂哉に圧される様に、
澄香は慌てて仂哉について学校を出た。
新しい年を迎え…迎え
…迎え…
二月
女子達の間では、
バレンタインデーの話題がもちきりで
澄香も
まぁ一応その一人で
― はぁ…どうしよう
渡したことないんだよなぁ… ―
放課後、
理科室で一人、
熱帯魚に餌をやりながら、
ふと
そんなことを思っていると、
不意に
修斗の顔がよぎり、
思わず焦る。
― なっ、
なんで
シュウの顔がよぎるのよ… ―
ガッチャーンっ
「きゃっ!」
水槽のある台の上を拭きながら、
ふと考え事をした拍子に、
台の上にあった花瓶を落として割ってしまった。
「あちゃー…どうしよう」
澄香はしゃがんで、
割れた破片を拾おうした。
「危ないよ!」
「え?」
顔を上げると、
「えっ、」
仂哉が窓から覗き込んでいた。
「な…なんでここに?」
「あ~ぁ~割っちゃってぇー。
その花瓶、俺らがいた前からある物凄い貴重な花瓶なんだよ」
「え、そう、なの?」
「あ~ぁ~」
「どうしよう…」
澄香は、困り果ててしまって、
破片を見つめた。
「しゃあないっ。
よしっ、行くか」
「え、??」
「買いに行こうっ。
連れて行ってやるっ」
「同じものを売ってるトコ、知ってるの!?」
「ほらっ、行くよっ」
「え、…」
「早く!
先生に見つかる前に!」
「あっはいっ」
積極的に言う仂哉に圧される様に、
澄香は慌てて仂哉について学校を出た。