【短編】クロスロード ~ェンジェル~アルバム~
― どこに行くのかなぁ… ―



澄香は、
あえて聞かずに
胸を高鳴らせた。




車内には、
音楽が流れている。


澄香の知らない、
洋楽の曲。


こんなところで、
大人な修斗を感じた。


18歳の澄香

23歳の修斗




澄香三歳

修斗八歳

で、出会い …



― あぁ…

神社で…会ったんだったなぁ~

早いものだなぁ… ―



出会ってから、
十五年が経った …




「澄香」

運転席で
修斗が口を開いた。


「ん?」

「覚えてる?

出会った日のこと」


「うん。
覚えてるよ」


「澄香、七五三で、
ちっこくて
真っ赤な着物を着てた。
めちゃくちゃ可愛いかったぁー」


「そう、だった?」

「うんっ。
すごぃ可愛いくって目立ったから
思わず声をかけたんだよ」


「シュウ、
友達たちとサッカーか何かで遊んでたんだよね」


「そうそうっ」


「急に、小学生のお兄ちゃんたちに囲まれちゃって、私っ圧倒されてた」


「覚えてる覚えてるっ。
澄香、怖がって、
園長先生の後ろに隠れたね」


「うん」



修斗は、思う。



―澄香に出会ってから、
俺は、

いつも澄香を見てたよ…

会えなくなった時があったけど、

大丈夫かなって

気にしてた ―


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