迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
仮にも“委員長”の水沢先輩。
ほとんど毎日、図書室にいる。
毎日顔を合わせていれば、
自然と会話も弾むようになるし、だんだん仲良くなってくるものだ。
水沢先輩も、もともと人懐っこい性格らしく、
打ち解けるまでには時間はかからなかった。
世間話とか他愛もないことばかりだったけど、普通に話すようになっていった。
「窓花ちゃんはさ、」
先輩は、私を名前で呼んでくれる。
悟先輩がそう呼び始めたからだと思うけど……
他の委員の子のことも、
図書室にやって来る知り合いらしき女の子のことも、
先輩は、名字に“さん”付けで呼んでいるから。
なんか私、“特別”っぽくない?
そんな些細なことすら、嬉しくてたまらない私は……
やっぱり“恋してる”のかなぁ?