迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
「へぇ、じゃあ窓花ちゃんは、お姉さんがいるんだ?」
「はい。もう大好きで、とにかく私の自慢なんです!」
家族の話になって、みさきちゃんのことを得意気に話す私。
……相手は悟先輩だけど。
「美人だし、頭もいいし、
料理もうまいし、やさしいし…
私が男だったら、絶対結婚したいですもん!」
鼻息荒く、力説する私に、
「いいねぇ。ホントに好きなんだね。」
ちょっと戸惑いつつも、楽しそうに笑う悟先輩。
はっ!ヤバイ。
こんなに詳しく話したら、悟先輩、みさきちゃんに惚れちゃうじゃん。
それは嫌だ。
「いいよね、姉妹って。
家の中、華やかになりそうじゃない?うちは男兄弟だからさぁ」
私の心配をよそに、悟先輩は自分の家族の話を始めた。
よかった。
みさきちゃんの話には突っ込んでこないみたいだ。
安心しつつも……