迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*




「へぇ、じゃあ窓花ちゃんは、お姉さんがいるんだ?」



「はい。もう大好きで、とにかく私の自慢なんです!」



家族の話になって、みさきちゃんのことを得意気に話す私。




……相手は悟先輩だけど。



「美人だし、頭もいいし、
料理もうまいし、やさしいし…
私が男だったら、絶対結婚したいですもん!」



鼻息荒く、力説する私に、



「いいねぇ。ホントに好きなんだね。」



ちょっと戸惑いつつも、楽しそうに笑う悟先輩。


はっ!ヤバイ。


こんなに詳しく話したら、悟先輩、みさきちゃんに惚れちゃうじゃん。


それは嫌だ。



「いいよね、姉妹って。

家の中、華やかになりそうじゃない?うちは男兄弟だからさぁ」



私の心配をよそに、悟先輩は自分の家族の話を始めた。


よかった。


みさきちゃんの話には突っ込んでこないみたいだ。



安心しつつも……


< 133 / 243 >

この作品をシェア

pagetop