迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
「……?」
ひとりで勝手に赤くなっている私を、航くんが不思議そうに見ている。
……かと思ったら、
「もしかして…見とれてた、とか?」
意地悪な笑顔を向けられた。
「えっ?」
そう言われればそうかも…なんて思いつつも、黙って俯いていると、
「……図星だ?」
近づいてきて、私の顔を覗き込むなり満足気に笑った。
「ち…違っ」
否定しても、もう遅い。
至近距離で顔を覗き込んだまま、航くんは私の頬に手を伸ばした。
「やー、俺もようやく、
みさきさんから熱い視線を向けられるようになったわけだ?」
妖艶な笑みを浮かべるなり、航くんの顔が近づいてきて……
当たり前のように、唇が重なった。
「続きは、お風呂のあとね?」
耳元で囁かれて、不覚にもクラクラしてしまった。