迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
「また、寝てたの?」
顔を合わせるなり、
呆れたように笑われてしまった。
なんで、わかるの?
「寝てないよ」
平静を装いつつ、ぶっきらぼうに答えると、
「跡…ついてるし。」
笑いながら、私の頬に触れる大きな掌。
「……っ」
思わず、振り払ってしまった。
そして、慌てて目をそらす。
絶対に顔が赤くなっているはずだから。
そんな私の様子なんてお構い無しに、
ついでに言えば、
痛いくらいの周囲の視線などものともせずに、
「ホント、寝てばっかりだよね」
ため息と共に再び私に手を伸ばして、
「ここ、すっごい目立つけど?」
おそらく何かがついてあるのであろう、頬のあたりを指でなぞった。