迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
――そして、朝。
……今、何時だ?
目が覚めて時計を見ると、朝の5時。
起きる予定よりもまだ1時間以上早かった。
もう少し寝よう。
そう思って、目を閉じかけたとき……
「……ん?」
初めて気がついた。
いつの間に??
腕の重みと柔らかい感触。
甘い香りと人の温もり。
ぴったりとくっついている華奢な身体を、俺は無意識のうちに抱きしめていたらしい。
聞こえてくるのは、規則正しい寝息だけ。
俺の腕の中で、
みさきさんはぐっすり眠っていた。