迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
一気に眠気も冷めて、俺は腕の中の彼女を見つめた。
長い睫毛。
透き通るような肌。
ふっくらした形の良い唇。
……本当に、綺麗だ。
“お姫様”の名にふさわしい。
ゆるくウェーブがかった長い髪を指ですくいながら、
そっと顔を近づけて、瞼にキスをした。
「ん…?…こうく…ん」
小さく漏れる声は、たぶん寝言。
目を開けることはなく、そのまま俺の胸に顔をすり寄せてさらにぴったりくっついてきた。
……猫みたい。
でも、どうしよう?
なんか、すっごく可愛いんだけど。
また襲いたくなっちゃうじゃん。
無意識に俺の名前を呼んで、当たり前みたいにくっついてくる。
安心しきった寝顔。
これは、もう……
自惚れなんかじゃ…ないよな?