迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
ずっと、好きだった。
やっと、手に入れた。
だから、
もう絶対に離さない。
つき合い始めて3年。
ようやく、彼女の気持ちが俺のに追いついた。
今なら自信を持って言える。
「彼女の心は俺のものなんだ」って。
すごく頑張ったと思う。
ここに来るまで、本当に長かったんだから―――
“お姫様”
彼女は、みんなにそう呼ばれている。
今も昔も。
綺麗すぎて近づけない、
高嶺の花の“お姫様”。
憧れる男子生徒は数知れず。
羨む女子生徒も数知れず。
誰も近づかないから、
俺は逆に近づいた。
無謀だとか怖いもの知らずだとか…みんなにさんざん言われたし、
クールで大人っぽい彼女が俺なんかを相手にするはずがない…そう思われていた。
だけど、好きだったから。
何もしないで諦められるほど、安い想いじゃなかったから。