迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
少しずつ距離を縮めていって、
少しずつ彼女の中に入り込んで行った。
そして、まっすぐに想いを伝えた。
あの通り、みんな遠巻きに見ているもんだから、
自分が綺麗だということも、
半端なくモテるということも……
彼女は当然、全く気がついていなかった。
だから、俺の好意にすごく戸惑っていた。
なんで、自分なのか?って。
たぶん、今でもわかっていないと思う。
それどころか、おそらく勘違いをしているだろう。
“あのこと”があったからだ、って。
“あいつ”のせいだ、って。
そう思われるのは、正直心外だ。
あれよりも前から、俺はずっと好きだったんだから。
でも……
なんかもうどうでもいい。
こうして、俺のものになったんだから。
みさきさんは、もう俺がいないとダメなんだ。
もう、離れられない。
俺が、そういうふうにしたんだから―――