迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
……そんな感じで。
愛しい彼女を抱きしめながら、満ち足りた気分で再び眠りにつき……
完璧に寝過ごした俺。
母さんはどうやら今日は休みだったらしい。
あの人が、俺を起こす優しさなんて持ち合わせているわけもなく……
見事に放置され、
見事に遅刻した。
もちろん、みさきさんも。
「……休む」
布団に潜ったままぼんやり呟く彼女を、なんとか起こして学校に連れてきたものの……
こんなことなら、やっぱり休めばよかったなぁ。
ちょっと後悔しつつ、
「失礼しまーすっ」
俺は、保健室のドアを開けた。