迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
でも、何だかんだ言って、
みさきさんはこうして家に来てくれて、夕飯を作ってくれる。
まあ、今日は母さんが帰ってくるからって言うのもあるし、泊まってってはくれないだろうけどさ。
っていうか、この状況はいつまで続く?
「みさきさんのファーストキスっていつ?」
夕飯の後、俺はさりげなく聞いてみた。
雰囲気を変えようかな、なんて思って。
ちょうど、テレビで恋愛ドラマが流れてたし。
昨日思い出しちゃったせいで、なんとなく気になってたから。
俺は間違いなくあれが最初なわけだけど、みさきさんは……?
中学のとき、
俺はずっとみさきさんの傍にいて、それこそ猛アタックし続けていた。
最初は、ただ仲良くなりたいだけだった。
綺麗な先輩と友達になれたら嬉しいな…なんて、幼い俺は思ってて。
だから、“好き”に気がつく前から、みさきさんの周りをやたらうろうろしてたんだよなぁ。