迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
かなりご立腹なんだけど……
上目遣いに赤らむ頬。
俺からしたら“可愛い”としか言いようのない表情。
……なんか、質問の答えなんてどうでもいいから、
今すぐ襲いかかりたくなってしまった。
……いやいや、ダメだ。
これ以上怒らせるわけにはいかない。
「……知ってるくせに」
そんな俺の葛藤を知るはずのないみさきさんは、
顔を赤くしたまま、ぼそっと呟いて俯いてしまった。
……どういう意味?
とりあえず考えていると……
「あれが、最初。」
「へっ?」
「航くんに告白されたとき……」
告白したとき……?
記憶の糸を手繰り寄せる。
告白…は、何回もしたけど……あっ!
「えっ…?嘘っ…あの時って……」