迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
みさきさんはなんか勘違いして怒ってるけど、まぁ、いいや。
「ごめんね?もう言わないから」
そう言って、肩を引き寄せた。
“おあずけ”解禁?
みさきさんが抵抗する気配がないので、軽くキスをした。
俺しか触れたことのない唇、に。
「さて、昨日の続きでもしよっか?」
みさきさんの顔を覗き込んで、にっこり笑いかける。
「えっ?」
思いっきり動揺してるし。
っていうか、たぶん怒ってたことすら忘れてるよね?
「昨日っていうか、一昨日っていうか……
俺、ずっと“おあずけ”くらってたじゃん?」
言いながら、みさきさんの頬に触れる。
俺は“健全な”男子高校生だよ?
我慢の限界値は驚くほど低い。
「おあずけって……」
呆れたように呟くみさきさんの唇に、もう一度キスをする。
何度触れたって飽きることはない。
むしろ、もっともっと触れたくなる。
みさきさんに、だけ。
他の子にはしたいとも思わない。
俺が、どんなにみさきさんのことを好きか、
ちゃんと、わかってるのかな?