迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*




みさきさんはなんか勘違いして怒ってるけど、まぁ、いいや。



「ごめんね?もう言わないから」



そう言って、肩を引き寄せた。



“おあずけ”解禁?



みさきさんが抵抗する気配がないので、軽くキスをした。


俺しか触れたことのない唇、に。



「さて、昨日の続きでもしよっか?」



みさきさんの顔を覗き込んで、にっこり笑いかける。



「えっ?」



思いっきり動揺してるし。


っていうか、たぶん怒ってたことすら忘れてるよね?



「昨日っていうか、一昨日っていうか……
俺、ずっと“おあずけ”くらってたじゃん?」



言いながら、みさきさんの頬に触れる。


俺は“健全な”男子高校生だよ?


我慢の限界値は驚くほど低い。



「おあずけって……」



呆れたように呟くみさきさんの唇に、もう一度キスをする。


何度触れたって飽きることはない。


むしろ、もっともっと触れたくなる。


みさきさんに、だけ。


他の子にはしたいとも思わない。



俺が、どんなにみさきさんのことを好きか、

ちゃんと、わかってるのかな?



< 79 / 243 >

この作品をシェア

pagetop