おばあちゃんの思い出
やっぱり、生まれ育った街は落ち着く。
こんなふうに思ったのは初めてだ。
おばあちゃんはきっと喜んでくれる
私はそう思って疑わなかった。

「ただいまー」

突然帰ってきた私を、
おばあちゃんはただただ、見つめていた。

「なんかね、やっぱり難しかった。学校は忙しいし、大変だし、お手伝いしてた店でもなんか店長さんも…」

「果穂子」
おばあちゃんは静かに、でもはっきりといった。
「あなたが自分できめた道でしょう。責任を持ちなさい。」

思いもよらぬ言葉だった。
優しい言葉で受け入れてくれると思っていた。

「おばあちゃん…」
それっきり、おばあちゃんは何も言わなかった。

私はもう、ここにいちゃダメなんだ。

決心がついた。

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