おばあちゃんの思い出
果穂子が今、私の目の前にいる。

もう会えないかもしれないと覚悟さえしていました。
でも、立派に夢を叶えて帰ってきました。

やっぱりこの子は、私の愛する自慢の孫

あの子が帰っていくと
その途端、病室は怖いくらい静かになります。
すると私はまた、孤独を感じてしまうのです。

前よりも食欲がなくなりました。
いつしか体中が重くなり
動くことが辛いと感じる時もあります。

それに最近、物忘れが激しくなったようで
今日誰と話したとか何を食べただとか
あまり思い出せないのです。

確実に、私は衰弱しているのだと気づきました。

けれど、あの子にだけは、
弱っていく姿を見せたくない

あの子の悲しむ顔は見たくない

今の私があの子にできることは何でしょうか
あの子のために
私は何を残してあげられるのでしょうか


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