おばあちゃんの思い出
エピソード5 明日の光
明日の光①
あっという間だった。
あっという間というのは、
おばあちゃんが死ぬまでのことではない。
おばあちゃんとわたしが
一緒にいた時間のことだ。
あれから5日後
おばあちゃんは亡くなった。
ずっと一緒にいた唯一の家族を失った。
悲しいのになぜだか涙は出ない。
私は一人では広すぎる部屋で、
なにも考えられずにいた。
こんな日が
いつかやってくることはちゃんと、
実はずっと昔から
分かっていたはずなのに…
わたしは、いつもいつでも
おばあちゃんが死ぬのが怖かった。
たった一人の家族が
いなくなってしまうその日がやってくるのが怖かった。
家の居間は何も変わらない。
ブラウン管の少し小さめのテレビ
部屋の真ん中にあるこたつ
ハンガーに掛ったままの、
おばあちゃんのえんじ色のセーター
この部屋の時間は、
おばあちゃんの死と共に
止まってしまった
ろくにご飯も食べず、
毎日こたつに潜っていた。
気が付けば眠りについていて
また気がつけば目を覚ましていた。
あっという間というのは、
おばあちゃんが死ぬまでのことではない。
おばあちゃんとわたしが
一緒にいた時間のことだ。
あれから5日後
おばあちゃんは亡くなった。
ずっと一緒にいた唯一の家族を失った。
悲しいのになぜだか涙は出ない。
私は一人では広すぎる部屋で、
なにも考えられずにいた。
こんな日が
いつかやってくることはちゃんと、
実はずっと昔から
分かっていたはずなのに…
わたしは、いつもいつでも
おばあちゃんが死ぬのが怖かった。
たった一人の家族が
いなくなってしまうその日がやってくるのが怖かった。
家の居間は何も変わらない。
ブラウン管の少し小さめのテレビ
部屋の真ん中にあるこたつ
ハンガーに掛ったままの、
おばあちゃんのえんじ色のセーター
この部屋の時間は、
おばあちゃんの死と共に
止まってしまった
ろくにご飯も食べず、
毎日こたつに潜っていた。
気が付けば眠りについていて
また気がつけば目を覚ましていた。