おばあちゃんの思い出
一か月経つころには
私はだいぶ元気を取り戻した。
私が笑顔でいられるようになったのは
マツミおばさんや周りのみんな
そしておばあちゃんのお陰かもしれない。

それと同時に
いつまでもここにはいられない。
そう思うようになった。

一人でも、強く生きなくちゃ。
私には行かなきゃいけない場所がある。

東京に戻って、美容師を続けよう。
それが、私が自分で選んだ道だから


そう決めた私は誰にも告げず
一人で夜行バスに乗り込んだ。


次にこの地を訪れるまでに
もっと立派な人になろう。
おばあちゃんに負けないくらい
素敵な人になろう。
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