空は青色、君は君色


ピーンポーン


もうこれで、4回目。


「今日は帰るか。」

諦めたときだった。

「空?」

インターホンから聞こえる
海の声。

泣いてる?


「おん、俺。大丈夫か?」

「・・・。今開けるね。」


ドアの鍵が開く音がして
中から手が出てくる。

いいよ、と言うように手が動く。


「おじゃまします。」


なかには、パジャマ姿の
海がいた。

「海?」


あきらか、様子が変だし
目が真っ赤に腫れてた。

病欠じゃない



「大丈夫か?」


靴を脱いで、海の腕を握る。

「空。」

泣きそうな声で、うつむく海。

「とりあえず、ここじゃちょっと。」

海は俺の手を握って
部屋まで連れてってくれた


「海。」


うつむいた顔にかかった髪の毛をどける

そこには
海の、本当の顔があった。
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