空は青色、君は君色
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高校に入ってちょっとしてから、
俺はあいつの存在を知った。
「ああ、B組の吉田さんでしょ?
美人でクールで!!」
目をつけるのが早いというか、なんというか。
友達に引っ張られて仕方なくついていく。
「え!!吉田さんいないの?ショック・・。」
落ち込んでる馬鹿をほっておいて、
誰もいなさそうな所へ行く。
集団行動が苦手。
屋上の扉が開いてる。
立ち入り禁止の張り紙が貼ってあるのに
変だと思って、覗く。
人が寝転がっていた。
むくっと起き上がるのを見て、
扉の死角に隠れる。
綺麗だと思った。
空と、あの時見たあいつが、
綺麗だと思った。
「なあなあ、吉田さん告白されたって!!」
慌ただしく教室に入ってくる、
親友の北山築。
「うっせーよ。
そりゃあんだけ美人なら
告白ぐらいされんだろ。」
とか言いながら、内心ちょっと焦ってる。
「おーい、なんだよそれ!!」
ガミガミと、築が頭の上で怒ってる。
「きー、詳しく教えてー。」
"きー"は、築のあだ名。
本人曰く、お気に入りらしい。
男が群がって話しを聞いてる。
「告ったのは、A組の田中智。」
まずそこでブーイング。