空は青色、君は君色






    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



高校に入ってちょっとしてから、

俺はあいつの存在を知った。



「ああ、B組の吉田さんでしょ?
 美人でクールで!!」

目をつけるのが早いというか、なんというか。



友達に引っ張られて仕方なくついていく。


「え!!吉田さんいないの?ショック・・。」


落ち込んでる馬鹿をほっておいて、

誰もいなさそうな所へ行く。

集団行動が苦手。



屋上の扉が開いてる。

立ち入り禁止の張り紙が貼ってあるのに

変だと思って、覗く。

人が寝転がっていた。

むくっと起き上がるのを見て、

扉の死角に隠れる。


綺麗だと思った。


空と、あの時見たあいつが、

綺麗だと思った。








「なあなあ、吉田さん告白されたって!!」



慌ただしく教室に入ってくる、

親友の北山築。


「うっせーよ。
 そりゃあんだけ美人なら
 告白ぐらいされんだろ。」


とか言いながら、内心ちょっと焦ってる。


「おーい、なんだよそれ!!」


ガミガミと、築が頭の上で怒ってる。


「きー、詳しく教えてー。」


"きー"は、築のあだ名。

本人曰く、お気に入りらしい。

男が群がって話しを聞いてる。


「告ったのは、A組の田中智。」


まずそこでブーイング。









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