キミと出会えた物語
「早くっ!!」
今、あたしの目の前であたしをせかしている彼女の名は、仁籐弥生【二トウヤヨイ】。
数少ないあたしの友達の一人だ。
「早く~っ!始まっちゃうよ!!」
なぜこんなに弥生が急いでいるかというと、実は、この学校…中野高校では、人気の部活がある。
それは、男子バスケ部。この部活は他校でも有名で、その理由は二つある。
ひとつは、純粋に強いから。その実力は全国レベルなのだ。
そしてもうひとつは、バスケ部の部員が皆イケメンだから。
タイプは違えど、皆部員は顔がいい。
別にイケメンのみ入部可、という訳ではないのだが自然とイケメンが集まっているのである。
こうして顔がよくて運動ができるとなれば女子にもてるのは当たり前。
その為、部活中は女子のギャラリーが半端無いのだ。
んで弥生もそのギャラリーの一人で、こうして向かっているのだ。
あたしは、たいして興味は無いのだが、いつも弥生と一緒に見に行ってる女の子が学校休みだったので付き合わされてる、というわけだ。
「別にさーそんなに急がなくてもいくない?」
「ダメだよっっ!良い場所取るには早くいかなきゃ!!」
…だったら一人で行けばいいのにな~
そう思いつつも弥生には文句を言わないので、凛と弥生は仲がいいのだ。