あめだま (完)
  私は、彼女の涙を初めて
  見た。
 
  「大丈夫だよ風希!」
   ごめんね・・・。
   なぐさめの言葉しか、かけて
   あげられなくて・・・。

  「笑麻先輩。恋ってなんですか?」
  「は?何言ってんの?」

   私は先輩に質問した。留絆先輩に恋
   をしてた時の私じゃない私。

  「恋。あんた、好きな人変わったな!?」
  「え!?そんなこと・・・。」
  「あるよ!星奈、恋は人を変えるんだ。
   留絆を好きだった星奈は子どもだった。
   でも、他の人を好きになった星奈は、
   あの時から輝いていて、甘いよ!
   あめみたいに。大人になったんだ。!」

   笑麻先輩がいってくれた。初めての言葉。
   「大人」あの人の口からだしてくれる
   なんて思いもしなかった。
   


   私は走った。彼のいる屋上へ。
   足が止まらなかった。
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